共助とは
自助、共助、公助という言葉が、防災の話題になるとよく出ます。
自助とは、「自分の身は自分で守りましょう。」ということで、昔から言われていました。
「空は青い。」という類のもので、昔から言い古されてきた言葉です。
自助の重要性は誰しもがわかっていることです。
いつのころからか、大規模な災害が起きるたびに、災害発生時の公の機関の対応(公助)に批判が集まるようになります。救助に来るのが遅い。とか、警報を出すのが遅い。避難所での対応がずさんすぎる。
など。
こういった風潮が顕れてきたのは、現代の日本を考えると、ちょうど戦後、高度経済成長期ではないでしょうか。(そして今でも続いています。)
皆が、物質が豊かな生活にあこがれ、核家族化が進み、地域とのつながりが薄れていった時代。国や企業が主体で、日本経済を引っ張っていった時代。
そんな中で、私たちは、自分の身は自分で守るのは当然だけど、それでもどうしようもなかったら、市が、県が、国が、何とかしてくれるのではないか。。。
という意識になっていたのではないでしょうか。
私たちは知っておかないといけません。それは、公助には限界があるということです。正直、防災というのは、厄介な行政だと思います。
特に、経済発展を第一に考えたり、費用対効果を重要視する行政、政治家などからは、面白くないんだと思います。
例えば、毎年購入する必要がある備蓄品だって、賞味期限・消費期限がありますから、使わなかったら、廃棄したり、期限前にどこかに配ったりする必要があります。
「で、それにいくらかけてるの?」
って思われるのは、仕方のないところです。
もちろん、
「だって、何かあるかもしれないでしょ!その時に想定外なんて言えますか!?」
と言えばよいのですが、実際に準備を怠っていたら、何かあった場合、相当叩かれることが予測されます。
また、覚えておかないといけないのは、災害時に活動する公の機関の方でも、全ての人がプロというわけではありません。また、災害は通常頻繁には発生しないため、経験を十分積んでいる人はそれほど多くないのです。
そして何より、公の機関の人も、被災者の一人であることを忘れないでほしいと思います。
最近は、阪神淡路大震災で救助された方の約8割が、家族や近隣の住民により救出たことや、当時の状況を知る人から、消防隊や警察など公の機関の力では、どうしようもないことが知らされるようになったことで、共助の重要性が再認識されてきました。
共助というのは、簡単に言うと、お隣さんどうし、ご近所どうしで助け合いましょう。ということです。
実はこれも、大昔から言われてきたことです。
共助という言葉自体は使われ始めたのが江戸時代なんて文献もあるようですが、もっとずっと前からやっていたはずですよね。
なぜなら、公の機関なんて大昔にはなかったはずですし、あったとしても、農村などには影響がほとんどなかったと思われるからです。自分で自分を助けられなかったら誰かに助けてもらうしかない。それは共助しかなかったわけです。
長くなってしまいましたが、共助の大切さが再認識されている昨今、改めて町会や自治会の重要性も見直されています。
次の土日にも、どこかの広場や小学校で、地域の防災訓練が行われているかもしれません。一度覗いてみるのもよいのではないでしょうか。
そして、そう。まずは自分の身は自分で守ることを忘れずに。